Home >> X >> TAIJI >> TAIJIについて>> 宇宙を翔ける友へ 伝説のバンド「X」の生と死


この本が出た頃「暴露本」扱いされていました。
密度が薄くページ稼ぎに文字も大きいですが、しかしそれでもこれはいい本。
文才もなく(笑)自慢話も多かったりしますが、それも含めてすべてをさらけ出しているという気がします。


TAIJIこと沢田泰司は、Xの元ベーシスト。
彼がバンドから離れたのは1992年頭のことだが、それからしばらくして、
彼の姿は表舞台そのものから消えてしまう。
その「消えた」期間、彼はどうしていたのか?ということも含め、本書では」TAIJIが自らの半生を綴っている。

幼少〜Xに加入するまでの話も語られている。

彼が自分の半生を書くにあたり、避けて通ることが出来ないのは、やはりかつて所属していた
バンド、Xのことである
(その中でも、とりわけ多くの稿が割かれているのは、バンドの中で特に懇意にしていたhideへの思いなのだが、これは後述)。

リーダー・YOSHIKIとの出会いに始まり、バンドのメンバーの一人一人への思い、
そして……脱退に至るまでの経緯。

普通、一つのバンドからメンバーが脱退する際に、その理由として
「音楽性の違い」ということが挙げられる。
確か、TAIJIが脱退する際にもそのようなコメントがあったと思うが、本書では脱退の理由を
赤裸々に明かしている。
真相は泥臭いものだった。


ただ、このような真相を明かすには、相当の決意が必要だったことは、想像に難くない。

そもそも、彼がこのような本を書くに至ったのは、hideの急逝が大きく関係している。
Xというバンドの中で、TAIJIが特に仲が良かったのが、彼が一番初めに出会ったhide
なのである。音楽性のみならず、hideの人となりにも、TAIJIは惹かれていた。
そのhideが、全くの不幸な事故で、急逝してしまった。
その当時、精神も肉体もボロボロで、ホームレス同然の日々を送っていたTAIJIは、
彼の訃報に接し、「生きる意味」を見出す。



これまで「生きる」ことに執着を覚えず、自暴自棄になっていたTAIJIにとって、
hideの死は何よりも厳しい叱責だったと語っている。

「角材」「ホームレス」といまだにTAIJIをバカにする言葉としてこの本のネタが
某掲示板では使われいるがそういう事も承知で全部を一旦吐き出す事にしたんでしょう。
その姿勢がTAIJIらしいなぁと。
気取ってばかりの人にはできない行動である意味ロックです。

惨めな自分を認め、再生していく気持ちになるまでの描写は助けられた人たちへの感謝に
あふれる描写もTAIJIらしい。


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