■■アルバムは過去と未来をつなぐ中間地点■■
――クラシック作品「ETERNAL MELODY 2」をリリースした理由は?
もともとはリリースが目的じゃなかったんですよ。
やってるうちに楽曲がたまっちゃったから、だったら出そうかなって。
今回の<愛・地球博>(愛知)の開会式での指揮など、ここのところクラシックの仕事が多いんですけど、それはいい意味での悪循環になってて(笑)。
引き受けたからにはもちろん必ずいいものをやるから、次から次へと依頼が来るんだとは思うんですよ。
もともと僕はクラシックの人なので、そういった依頼も今回のアルバムも自然の流れなんだと考えてますね。
曲作りはかなり前から始めたことになるんですけど、リリースすることを考えて真剣に作り始めたのは2年ぐらい前ですね。
タイトルを「ETERNAL
MELODY2」にしたのは、こんなこと言っちゃダメなんだけど、名前を考えるのが面倒くさかったからなんです。(笑)
――]-JAPANの楽曲から新しい曲まで収録されていて、過去と未来をつなぐ1枚となったと言えるんじゃないですか?
そうですね。
これからVioletUKという新しいプロジェクトをスタートさせるんですけど、過去と未来をつなぐ中間地点というか、嵐の前の静けさというか。
そんな感じはありますね。
■■hideの死で精神的に暗闇をさまよった■■
――9月22日にVIOLET
UKが始動しますが、これまでの10数年、音楽に取り組む気持ちというのはずっと変わらなかったんですか?
10年もレコーディングや制作を続けるっていうのは精神的にもあり得ないじゃないですか。
途中、音楽的にも精神的にも暗闇をさまよった時期もありましたけど、今思えば10年ぐらいの準備期間は必要だったのかも。
精神面において暗闇にさまよった時期というのは、hideが死んだ時ですね。
もうやめちゃおうかって思ったぐらいでしたから。
でも、音楽を作ることによって慰められました。
あとはファンの皆さんからの手紙ですね。
「復活を待ってます」って、結構素朴な言葉なんですけどジーンと来ちゃうんですよね。
そういう意味では、音楽への思いは強くなってるのかもしれないです。
■■「破壊」という新しいムーブメントを起こしたい■■
――満を持して新プロジェクトVioletUK始動となりますが、プロジェクト名“VioletUK”の意味は?
Violetは新しい人種を意味してる言葉なんです。
YELLOWが黄色人種だったり、BLACKやWHITEがあったりしますよね。
じゃあ、新しい人種はVioletだろうってことで。
UKはアンダーグラウンド・キングダムの略です。
だから、VioletUKっていう名前は“新しいムーブメントを起こそう”みたいな意味ですね。
このプロジェクトを計画し始めて10年以上たつんですけど、最初はVioletだったんですよ。
]から]-JAPANに改名した時に、VioletからVioletUKに勝手に変えました。(笑)
――VioletUKの始動日が9月22日に決まった今の心境は?
「やっと」っていう感じはありますね。
もう10年以上やってきましたからね、これ以上やっていたら自分でもおかしくなっちゃうんじゃないかって思いますから(笑)。
これまでは最先端の音に追いつこうと思ってやってきたんですけど、今回(最先端の音を)追い抜いちゃいましたね。
VioletUKは、バンドという枠を取り外してしまっているので「何でもアリ」なんです。
逆に、何でもアリなだけに収拾がつかなくなってしまうというデメリットはあります。
とにかく、VioletUKの音を言葉で説明することは難しいんですけど、音楽業界に「音においての革命」を起こしたいんですよ。
言うなれば「破壊」かな。
今ある、何となく固まってしまった音楽というものを破壊していこうかと。
ジャンルの壁を壊すっていう感じで。
■■この10年間はVioletUKへの準備期間だった■■
9月22日に始動することを発表したので、ロケットの発射でカウントダウンが始まった気分です。
この10年間はVioletUKに向けての準備期間でした。
自分としては「]-JAPANも含めて」と思いたいぐらいですね。
VioletUKに関しては、音をすごく追求してきたんですよ。
レコーディング自体、24ビット96K、または192kっていう、今できる最大限の音のクオリティーでレコーディングしてきていますから、できることならばSUPER AUDIO CDとかDVDオーディオとかで聴いてほしい。
どんどん音楽のフォーマットも変わってきてるんで、時間の枠も壊しちゃって「5時間1曲」とか、そういう曲もおもしろいかなって。
音だけじゃなくて、そういう部分も含めて破壊だと思ってますから。