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>> 1991. 5. 7 : ロサンジェルスにて緊急記者会見                                


 1991. 5. 7 : ロサンジェルスにて緊急記者会見

 初の東京ドーム公演とニューアルバム発売を発表しました。


STAFF ほんとにお忙しいなか、このLAの地までありがとうございます。マスコミに登場するのはほぼ1年ぶりになると思います。LAでの初めての記者会見ということになります。Xです。From Far East X!
それではただいまより、LAにおきましてメンバーからのいくつかの発表と、共同記者会見を始めたいと思います。共同インタビューに先立ちまして、リーダー のYOSHIKIより3つの重大な発表が用意されてますので、まずそのあたりから始めたいと思います。それではYOSHIKI、お願いします。
YOSHIKI ひさしぶりです。8月23日に東京ドームでコンサートをやります。もう一度言います。8月23日に東京ドームでコンサートをやります。
ふたつめ、7月1日にニュー・アルバム『Jealousy』を発表します。
みっつめ、6月5日、成田空港で会いましょう。以上です。
Q: なぜレコーディングをLAでやることになったんでしょうか?
HIDE エンジニアのリッチさんが、やっぱり自分の知ったところでやりたいと言ったから。
Q ロス(アンジェルス)は初めてですか?
YOSHIKI ボク以外は.....、ボクだけ初めてです。
Q: アルバム発売日が押していると聞いたんですけど、突然、7月1日になったという、その辺の事情というか。
YOSHIKI まだレコーディングは終わってません。でも7月1日に(アルバムが)出るんです。
Q: 漏れ聞く話によると、発表の形が変わると。
YOSHIKI アルバムでスタートです(当初はシングルが先行発売されることになっていた)。
Q: 最初は2枚組のアルバムになるようだったのが、だいぶ変わるようだけど?
YOSHIKI 30分ぐらいある「アート・オブ・ライフ」、それが他の曲との共存を拒んだと。とりあえず孤立を求めた、彼は(笑)。
Q: そうすると、「アート・オブ・ライフ」は別の機会に発表すると?
YOSHIKI ボクたちが次に日本にいる間に発表できたらいいなと思ってます。
Q: 今回のアルバムのテーマは?
YOSHIKI いちおうジェラシーということで、今、進んでます。あらゆる人間の感情の葛藤とかを表現したくて。こっちに来る前からある程度は決まってました。
Q: いつから、一日に何時間ぐらい録音作業をされてるんですか?
YOSHIKI 正式にスタートしたのは1月の上旬です。日によりますけど、だいたい一日に12時間。
Q: 今回のレコーディングでいちばん苦労したところと、ロスでの生活で印象的だったことをひとりずつ聞きたいんですけど。
PATA 苦労したとこはないです(笑)。
HIDE 苦労したとこは、レコーディングだけに関してはない。たとえば言葉とか、最初は不安だったけど、ぜんぜんそんなことはなくて。
オレは日本語でしゃべってい るし、エンジニアは英語でしゃべっているけど、ぜんぜん問題ないと思う。生活部分では、ぜんぜん問題ないです。和食もあるし。
Q: YOSHIKIはどうですか?
YOSHIKI ボクはまず倒れました。1カ月弱、動けない状態になってしまって、それで少し迷惑をかけてしまったんですけど、メンバーとスタッフのみなさんに。病名は頸 椎支障症候群。時間がないのであまりくわしくは話せないんですけど、もう普通のカラダじゃない.....。
Q: わかりました。TOSHIはどうですか?
TOSHI 今、いちばん苦労してます。歌入れの最中なんで。あとノドに障害が出まして、医者とボイス・トレーナーと相談のうえ.....手術はしなかったんですけどね。そういうギリギリの状態です。
Q: TAIJIは?
TAIJI オレは苦労つう苦労は個人的にはない。楽しんでるほうなんだけど、やっぱりYOSHIKIのカラダがヤバイところまで来てて、個人的に話してみてね、そのことが心配。
Q: TAIJIの発案でリッチ・ブリーンさん(エンジニア)と仕事をすることになったという話ですけど、どうですか、自分自身としては?正解でしたか。
TAIJI 正解ですね。ものすごく勘がいいんですよ。オレたちが日本語で言っても、勘で通じ合ってるものがある。音的なことについてもセンスもいいんで、正解でした。
Q: 『BLUE BLOOD』を作ったときと、何がいちばん違う?
YOSHIKI 今回はみんなで曲を持ち寄ってやってきたというところで、よりバンドらしくなってきたっていう。ただ、なんでこんな状況になっているのか.....、それ はボクのカラダのこともあるんですけど、なんか時の流れがおかしいんですよ。ボクは最初からあんまりロスアンジェルスには行きたくないと冗談で言ってたん です。で、早く(日本に)帰りたいといいつつも、もはや半年になりつつあるという。なんか1日も早いし、気が付けば1カ月経っているし(笑)。誰かにだま されているような気がして。まだ11月とか12月なんじゃないかという気分がしてて(笑)。でも、もう夏がやって来るし。よくわかんないんですよ。
Q: ということは、前とは同じようでいてなんか違うし、捉えどころがないってこと?
YOSHIKI そうですね、とりあえず、メンバー一同、早く(アルバムを)出したいっていう気持ちでいっぱいで。それといいものを作るまで出したくないっていう。そのギ リギリのところでいつも葛藤を繰り広げてきたんですけど、実際、今はもう5月になってると(笑)。謎ですね、不思議です。
Q: すごく周りの期待は高いんですけど、そのプレッシャーとかは?
YOSHIKI 当然、プレッシャーも、ものすごくあったんですけど、やっぱりいままでにないってことで、少し日本の状況とは離れたってことで、逆に少しアルバムに打ち込めたかな。それでプレッシャーが消えたわけでもないんですけど。
Q: 日本の状況っていうか、日本のロック・シーンの状況とかは入ってきてるんですか?
YOSHIKI 入ってきます。こっちでも何誌か買えるし、研究家がいるんで(笑)。
HIDE なんだ、そりゃ(笑)。
YOSHIKI HIDEちゃんが日本の状況を知ってて、よく教えてくれるんです。オレらなんかが日本にいるころよりも、かなり状況も変わってるみたいだし、ボクの友達の バンドもすごいがんばってくれてるんで、すごくうれしいなと思うし、逆にモタモタしてらんないなという、複雑な心境です。
Q: BLUE BLOOD に入ってなかった昔の曲が何曲か入りますよね?
YOSHIKI それは一曲。「STAB ME IN THE BACK」が。これはたぶん速いよね?
HIDE たぶん、じゃない(笑)。
YOSHIKI 真剣に速いです。
Q: ドラムは録り終えたと?
YOSHIKI その曲はボーカル以外はほとんど録り終えてます。
Q: なぜ昔の曲を入れることに?
YOSHIKI オレが言い出したんですけど。とりあえず速いんですよ。オレたちが速いと言うぐらいだから、ほんとに速い。Xの過激な部分をより強調したかったためにね。メジャー・デビューしてから、「ENDLESS RAIN」とか「紅」とか、ちょっとポピュラーめの曲でXを知っている人もいると思うんですけど、そういう人たちを根底から覆してみたかった。こういう曲もやっているんだぞ、みたいな。というか、それもオレらの一部だし。
Q: 東京ドームでのライブでは、新しいバージョンの「STAB ME IN THE BACK」が聴けるかも知れない?
YOSHIKI まだ東京ドームの選曲はまったく決まってないです。「STAB ME IN THE BACK」の速さは自己最高記録ですから、あれを再現できるのかっていう。
Q: カッティング担当員のPATAさんとしては?
PATA はいはい、ありゃあ速いですよ〜。
Q: ソニーと契約した直後ぐらいのインタビューで、とりあえずの目標は東京ドームだと言ったんですが、その発言に関しては?それが実現するわけですよね。
YOSHIKI 何事もなくこのまま進めば、それが実現するという。不思議ですね。
Q: たとえば渋公に始まって、野音とか武道館とかやって、アルバム・セールスも普通のロック・バンドより上を狙いたいと言ってましたよね。それらをすべて克服してきて、最後に残ってたのが東京ドームだったでしょ。
YOSHIKI そうですね。(東京ドームのライブで)もし区切りが付くとしたら、次の目標に向かいます。まだ具体的には言えないんですけど。次の.....、日本でのことは終わったかな。
Q: それでは海外に目を向けて行こうという?
YOSHIKI ドームが終わった時点で詳しく話せると思います。
Q: 約3年ほどですべての目標を達成することになるんですけど、その3年間は自分たちにとって長かったですか、短かったですか。楽しかったですか。苦しかったですか?
PATA いや〜、今思うと短かった。辛かったこともあったけど、今じゃあ楽しかったということでしょ。
HIDE あとからXに入ったオレとしては、生き方のペースが他のメンバーに影響されたような。わりとオレはノロマに生きてきたんだよ。それが半分ぐらいにさせられたような気がするな。
YOSHIKI それにしても時間の流れがおかしくない?ほんと1日48時間、1カ月60日ほしいです(笑)。まあ、この3年間は、すべてが感動だったし、すべてがドラマ ティックだったし、まだその延長線上にいるんですけど、思い出したくない苦い思い出もいっぱいあるし。
Q: あの〜、1枚のアルバムに5カ月間ぐらい掛かるってのは普通のペースなんですか?
YOSHIKI ボクらなんかにしても驚いていると。
Q: 早い?
YOSHIKI いや。第2のデフ・レパードにはなりたくないと。やっぱ不思議ですね。でも、けして余裕を持ってやっているわけじゃなくて、1日1日、全力でぶつかってるんですけど、実際はまだまだ(レコーディングが)終わってない。
Q: 日本よりは、ロスでのほうが少しは伸び伸びとやっているんですか?
YOSHIKI いや、逆に煽られる所がすごいありますね。テレビ付けてもMTVとか流れっぱなしだし。見る目がちょっと変わってきちゃうというか。当然、日本のプレッシャーも感じつつ、新たなプレッシャーもある。まあ、夢とプレッシャーは紙一重ですけど。
Q: 日本でのレコーディングとは、音とかずいぶん違いますか?
YOSHIKI やっぱり乾いていることとか、なんか空気が違うっていうか。
Q: このへんの、たとえば ROXY とかでライブをやってみようという気はございますか?
YOSHIKI そういうラフな機会があれば、Xとしてではなく、ただのいちミュージシャンとしてやってみたいとは思うけど。
Q: ずっとライブ活動をやってなかったんですけども、そのことについて、やりたくてしょうがない気持ちか、あるいは失礼ですけどYOSHIKIのカラダのことも含めて、怖さとかあるんでしょうか?
PATA いや、ほんとはライブ好きなんですけどね。ずいぶん前のことだから(ライブの感覚を)忘れちゃてるんですよ。それで、やりたい気持ちもあるんですけど、ちょっと怖いなという気持ちもありますね。
HIDE とりあえず、この姿で5人が集まったのは大阪城ホール(去年5月17日)以来ですからね。で、ライブとなると、PATAの言ったのと同じような感じで、遠 い昔の話だから。YOSHIKIのカラダのこともそうだし、自分にとってもライブは怖い、今のとこ。ライブのテンションに、ライブまでに持っていかなきゃ いけないと思うと大変だなと。
YOSHIKI ボクはとりあえず怖いです。でも、やっぱりやりたい気持ちもすごいあって、やるっきゃないというか、もう気合い一発って感じで。どっちかというと、ライブはやりたい。
TOSHI ライブは大好きですから、やりたいです。でも、とりあえず今は頭の中にはレコーディングのことしかないんで、どうやってやろうかとか、恐怖があるとか、そこまで考えてる余裕は今はまだないんです。でも、早くライブをやりたい。
TAIJI 以前のXより、グルーブ感のあるライブができると信じてるんでね。ライブをやってなくて、もう一年ぐらい経ってるけど、気合いは以前より入れていきたいし。
Q: 今、話せる範囲でいいんですけど、ライブの構想っていうか.....。
YOSHIKI 東京ドームのことに関して隠し事はないんですけど(笑)。とりあえずボクらはライブ・ハウスからずっとやってきて、とことん大きなホールに行くにしたがっ て、ライブ・ハウスでできなかったライティングとかステージ・セットの演出とか、いろいろこだわってきたんだけども、その中でも、さらにライブ・ハウス時 代のあの怒濤のノリを出したいと、東京ドームをライブ・ハウスに変えたいな。それが目標ですけど。
Q: フィルム・ギグについてどうですか?
PATA いや〜、本人がいなくてもいいのかなっつうか(笑)。でも、すばらしいですね。
HIDE オレ、(フィルム・ギグを)見に行きたかったもん。
YOSHIKI ほんとに、いないのにあんなに盛り上がってくれて、心の支えです。プレッシャーを打ち破ってくれる一番の支えだったかもしれない。
TOSHI 会場の様子を映したビデオを何回も見ました。みんなが乗ってくれてるところを見て、ほんとに励みになったし、ボクらもだいぶステージに立ってないんで、客 観的にいちファンとして自分たちを見れて、やっぱXはカッコいいんですよ。ぜひ一日も早くまたカッコいい姿を見せたいですね。
TAIJI ほんとに励みになったし、すごく刺激になった。(東京ドームでは)あのフィルム・ギグより過激で、さらにグルーブ感のあるライブをやるんで期待してください。
Q: ここにピアノがたまたまあるんですけども、もしよろしかったらぜひ、なんとか
TOSHI それじゃあ、YOSHIKIのピアノをバックに歌うバラードがあるんですけど、その曲のさわりだけ。まだレコーディングが終わってない曲なんですけど(笑)。
 *ここでバラード・ナンバーがTOSHIとYOSHIKIのふたりによって披露される。
STAFF 「どうもありがとうございました。毎日、血を吐くようなボーカル録りをやってまして、それにYOSHIKIもずっと付き合っているんですけど、この完成形 を近々お届けすることを期待しまして、きょうは納得していただきたいと思います。これからXの復活と輝かしい未来のために、メンバーと乾杯を分かち合いた いと思います」
Q: それではメンバーに乾杯の音頭をお願いします
TOSHI ロスくんだりまで、こんなにたくさんの日本のみなさんが来てくれるとは思いませんでした。一種、感激してます。みなさんの期待にお答えします。これからま だまだ続くレコーディング、オレたち気合いで乗り切ります。きょうはほんとにありがとうございました。最後にX流の乾杯でしめたいと思います。みなさんも よろしかったら、ご唱和を。
YOSHIKI   気合い入れるぞ!
メンバー全員   よし、行くぞ!!(みたいなことを叫んでいた)
Q: では、記者会見恒例のダルマに目を入れる儀式をやっていただきたいと思います
TOSHI ロスに来てまでも、ダルマなんだな。東京ドームをなんとかやろうと、日々邁進したいなと思います。もう片目は東京ドームのステージ上で入れたいと。それはわかんないけど(笑)。
Q: 日本の多くのファンの方が待っていてくれると思うんですが、そのみなさんのためにメンバーひとりずつから海を越えたメッセージをお願いします
PATA 7月1日と8月23日を待っててくださいって感じですかね。
HIDE いろいろありますが、はた目にはこんなに元気です。もうすぐ帰ります。
YOSHIKI 恒例の一気をやります(と言って、ビールを一気する)。大阪城ホールからライブ・シーンを離れてもうすぐ一年になりますけど、ミュージシャンとして確認で きないという不安な気にもなったりして。それで自分を確認する場所がステージであったり、雑誌のインタビューを読んだりして、自分がミュージシャンである ことを認識したり、去年5月17日から雑誌やステージとも離れて、音の中で自分の存在を確認しようとがんばったり、挫折したり、途方に暮れたり、ここまで やってきました。7月1日にその結果が、まだレコーディングが終わってないんで自分たちでもわからないことはいっぱいあるんですけど、もう少しで見えよう としてるんで.....(涙が流れ落ちてしゃべれなくなる)。ぜひ.....、このアルバムを聴いてほしいと思います。
TOSHI オレもレコーディングが終わったら思いっきり泣こうと思ってます。それまではとにかく何があっても泣けないという気持ちで、ちょっとスポーツ根性ノリです けど、そういう部分もあるんで、まだボーカル録りが続きますけど気合いを入れてやります。あと、日本のファンのみんな、ひとり落ち込むと、よくボクはみん なのことを思い出したり、ビデオを見たり、みんなに支えられているステージでの自分を思い出したりして、気合いを入れて直します。だからこのアルバムが出 来上がったら、ファンのみんなも、レコーディングに参加してくれた人だと思ってます。感謝したいと思います。すごいアルバムが出来るんで聴いてください。
TAIJI このアルバムを聴いてくれれば、ボクたちの気持ちはわかると思う。どこへ行っても人の心をうてるバンドになります。期待しててください。
STAFF ありがとうございました。こんなすばらしいバンドをこういう形で紹介できることを、我々スタッフも誇りに思ってます


レコーディングのめどがついたということで、LAで記者会見 
その席上で、YOSHIKIは
「6月5日、成田で会いましょう」と帰国の日を発表してしまう。。

6月5日 X、帰国

成田国際空港には、1000人近いファンが押しかけ、警察も出動するほどの騒ぎとなった
(後でクレームがついた)
の日、帰国したのは、TAIJI、HIDE、PATAの3人で、逃げるように走り去る様子が
「VISUAL SHOCK VOL.3」に入っている


YOSHIKIは6月7日に帰国。



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